Message
気軽に受診いただき、安心・快適な環境の中、
早期治療により、健やかな日々を取り戻し、
健康に暮らして頂くことを、何より大切に考えております。
スタッフ一同、医療従事者としての情熱をもち、
変化する環境に対応出来る医療を追求し、地域、社会に貢献する所存です。
今後とも引き続き、当院をよろしくお願いいたします。
白井病院 脳神経内科部長奥村一哉医師
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健康に暮らして頂くことを、何より大切に考えております。
スタッフ一同、医療従事者としての情熱をもち、
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今後とも引き続き、当院をよろしくお願いいたします。
白井病院 脳神経内科部長奥村一哉医師
パーキンソン病については、一度、聞いたことある人が多いわりに、具体的にどんな病気なのかは、知らない人のほうが多いと思います。一般的に、手足の震えがイメージしている方が多くいらっしゃいますが、手足の震えだけでは、パーキンソン病とは限りません。パーキンソン病は脳幹にある中脳の黒質という運動神経細胞がゆっくりと徐々に変性(老化)して起こる病気です。唯、パーキンソン病は,運動症状だけでなく、多彩な非運動症状もみられます。
パーキンソン病による症状は、主に運動症状と非運動症状の二つに分類することができます。
パーキンソン病の治療は色々ありますが、第一に「薬物療法」です。パーキンソン病を発症した方は、主に脳内のドパミンという神経伝達物質の分泌の低下もしくは合成が減少しています。従って、ドパミンを補うことが「薬物療法」の重要な役割です。しかし、その治療薬は色々と種類があります。
しかし、治療してから数年を経過すると、効果が薄れて、ハネムーン期の効果が徐々に弱まります。薬の効果が一定しない状態をウェアリング・オフ(Wearing off) 現象と呼びます。また、スイッチを切ったり入れたりしたように薬の効果が急に変動する状態をオン・オフ(On off)現象と言います。薬が効いているon状態の他に、薬の効果が減弱したWearing状態、薬の効果が減弱・消失したoff状態のことです.これらは、パーキンソン病の進行でみられます。
Waring off現象もOn off現象も病気の進行とともにドパミン神経が減少し、ドパミンの合成、再生、分解が不安定となるため出現します。
薬がすぐに効いてこないdelayed on現象や全く効果が非常に遅れて,次の薬を服用するまで効果が出てこないように見えるno on現象もあります。
パーキンソン病の進行期の治療は、このオフ時間の対応が大きな課題となっています。症状が悪くなると生活に支障が出てくるため、薬の量を増やしたり、飲む回数を増やすことが必要になります。また、作用機序が異なる薬を色々と組み合わせることが必要になります。
内服量が増えたり経過が長くなると、自分の意思とは関係なく、無意識に体がぐねぐねと動く不随意運動のジスキネジアが現れることがあります。
Waring off現象やOn off現象、ジスキネジアは運動合併症と呼ばれますが,進行期の治療においては、このような運動合併症を最小限にとどめるため、様々な薬物を組み合わせることが必要となり、薬の用量・種類・頻度の調節も大切になってきます。
薬品名 | レボドパ単剤(ドパストン、ドパゾール)、レボドパ・カルビドパ合剤(メネシット、ネオドパストン、ドパコール、デュオドーパ)、レボドパ・ベンセラジド合剤(マドパー、イーシー・ドパール,ネオドパゾール)、レボドパ・カルビドパ・エンタカポン合剤(スタレボ) |
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特徴 | パーキンソン病治療の中心であり、脳内でドパミンに代謝されます。効果発現が速く、運動症状に対して初期から末期まで有用である。 |
問題点 | 長期投与で、ジスキネジア、Onoff症状を起こす原因となると考えられている。上記症状は、パーキンソン病になってからの期間(罹病期間)が関係しているとも言われている。 |
薬品名 | セレギニン(エフピー)、ラサギリン(アジレクト)、サフィナミド(エクフィナ) |
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特徴 | ドパミンが脳内で代謝され難くすることで効果を強くする。 |
薬品名 | エンタカポン(コムタン)、オピカポン(オンジェンティス)、レボドパ・カルビドパ・エンタカポン合剤(スタレボ) |
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特徴 | レボドパが脳以外で代謝され難くすることで、レボドパが脳内へ入る量を増やします。 パーキンソン病の治療で役立つレボドパは、摂取後、脳内へ入った後、ドパミンに合成されます。しかし、レボドパは脳内に入る前に体内でCOMTという酵素に分解されてしまい、効果発現ができなくなります。そのため、COMTの働きを阻害することによって、より多くのレボドパが脳内へと入ることを助けます。 |
ドパミンの代わりにドパミン受容体を刺激することで、パーキンソン病の症状を改善する薬剤をドパミン刺激薬と言います。ドパミン刺激薬は構造の違いにより麦角系と非麦角系に分けられていますが,現在,麦角系は、心臓の弁の異常を来すことがあるので,殆ど使われていません。
非麦角系
薬品名 | プラミペキソール(ビ・シフロール、ミラペックスLA)、ロピニロール(レキップ、レキップCR、ハルロピテープ)、ロチゴチン(ニュープロパッチ)、アポモルヒネ(アポカイン) |
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特徴 | 突発的睡眠や傾眠等がみられることがある。 |
麦角系
薬品名 | ロモクリプチン(パーロデル)、ペルゴリド(ペルマックス)、カベルゴリン(カバサール) |
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薬品名 | アーテン、アキネトン、トリモール、パーキン |
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特徴 | アセチルコリン系を抑制することで、ドパミン神経系の活動を賦活する。 |
薬品名 | アマンタジン(シンメトレル) |
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特徴 | ドパミン神経系を刺激し、ドパミンの放出を促進する。ドパミン神経系以外にも作用するのでジスキネジアに有効な場合がある。作用機序は充分には解明されていない。 |
薬品名 | ゾニサミド(トレリーフ・エクセグラン) |
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特徴 | 元々てんかん薬であったが、パーキンソニズムを改善させることが明らかとなった薬剤である。振戦に有効である。作用機序は充分には解明されていない。 |
薬品名 | イストラデフィリン(ノウリアスト) |
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特徴 | アデノシンA2A受容体拮抗薬で、脳内では,ドパミン系以外の系を介して運動障害を改善させると考えられている。姿勢障害に有効であることが多い。 |
薬品名 | ドロキシドパ(ドプス) |
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特徴 | ノルアドレナリン系を介して作用すると考えられており、すくみ足や無動に有効な場合が多い。 |
視床下核や淡蒼球内節等、脳の深い部分に電極を差し込み、高頻度の電気刺激を与えることによりその部分の活動性を低下させ運動機能を改善させる治療法です。off時間が改善することが期待できます。視床下核刺激の場合、パーキンソン病薬を減薬できるため薬物療法による副作用が軽減され、それにより、ジスキネジアを抑制し、長い期間で安定した状態を保つことができます。
ウェアリングオフ現象やジスキネジアが進行し、治療が困難となった場合に検討あれる治療法のひとつです。ポンプとチューブで胃瘻から空腸にレボドパ・カルビドパ配合剤を持続的に注入すること療法です。
薬の濃度を一定に保つ事ができoff時間が短縮され、ジスキネジアも軽減することができます。頭蓋骨に穴を開けずに、頭の外から超音波を照射し、一点に集積させ、視床下核などの部位を熱凝固させます。DBSと同等の効果が期待でき、運動機能を改善させる治療法です。体への負担も少なく、入院期間も2泊程度となります。
運動療法 | 体を動かす基礎の筋肉と関節を強化することが目的としている。 |
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作業療法 | 日常生活を維持するための動作を訓練することが目的としている。 |
言語療法 | コミュニケーション能力を回復することが目的としている。
薬物療法に加え、適度に運動することで、効果を高めることができると言われています。また、運動を続けることによって、気分もよくなり、日常生活の質を高め続けることが出来ます。しかし、パーキンソン病患者さんは、各々の症状や病気の進行度に違いがあるため、医師と相談したうえで、理学療法士や作業療法士、言語療法士の指導を受け、楽しみながら訓練しましょう。 |
現在確立されているパーキンソン病の食事療法というものはありません。 基本は、バランスよく、規則正しく食事を摂取することが重要です。
ただ、薬の吸収の速度は食事によって左右されることがあります。オン・オフを調節する意味合いでは、薬をより効果的に吸収することも知識として知っておいたほうが良いかと思われます。手のふるえは、医学的には振戦(しんせん)と称し、自分の意思とは無関係に筋肉が収縮することで、おこる細かい律動的な運動の一種です。振戦は、発生状況や姿勢、または動きの速さ、大きさによって様々な種類があり、考えられる原因は多様多種です。大部分の振戦は心配のないものですが、中も、日常生活に支障が来す疾患や治療すべき疾患によるものもあります。
誰にでも起こりうる生理的な現象です。心理的な要素、過度の緊張や恐怖、または外的要素、寒さなど、あるいは、身体的な疲労、重労働の後とか、全部生理的振戦を起こりうることがあります。生理的振戦はあくまでも一時的な現象です。
生理的振戦が増した状態が甲状腺機能亢進症です。手が震えて字が書けなくなったり、ひどくなると足や全身が震えるようになります。治療をすることで、ふるえは軽減することができます。
手に細かいふるえが起こします。特に継続的な飲酒を中断したときにふるえの頻度が増します。依存症の期間が長くなると、常にふるえが出るようになる場合もあります。
薬物の服用することによって引き起こされる振戦です。喘息の治療薬が運動時や姿勢時に見られる振戦を誘発することがあります。また、精神病の治療薬の一部は、パーキンソン病に見られるようなふるえの原因となることがあります。
本態性振戦とは、明確な原因が分かっておらず、自分の意志に反して、手や頭などが小刻みにふるえる病気のことです。震え以外の症状がなく、じっとしている時はふるえが起こりませんが、何等か動作を行う時に、一定的な姿勢を保つ時にふるえが現れます。40才以上の4%の割合が占め、65歳以上では5〜14%と、さらに頻度が増えるといわれています。
精神的な緊張が高まったときや、疲れやストレスなどがたまったときに、増強する傾向があり、遺伝にも関係しているといわれています。飲酒でふるえが減ることも多いです。じっとしている時におこる振戦は、パーキンソン病にもっとも特徴あるふるえです。もっとも特徴あるものは「丸薬丸め運動」とよばれ、親指と人差し指をこすり合わせるような動作で、1秒間に約4〜6の回数で繰り返されます。何もせずに座っている時や、普通に歩いている時などに現れ、左右に差が見られますが、緊張などの心理的な要素で出やすくなることがあります。
運動時振戦 (うんどうじしんせん) |
目標物へ向かう過程におこる震え、(例え、 机に置いてあったものを取ろうとするときや、コップをもって水を飲もうとするとき、など)動作が終えると震えも止まります。本態性振戦などに起因することが多い。 |
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企図時振戦 (きとじしんせん) |
目標物に近づけばつくほど、震えが大きくなり、やや不規則で強い動作が見られます。小脳の損傷に起因する小脳性疾患が隠れていることがあります。 |
姿勢時の振戦 (しせいじしんせん) |
同じ姿勢をとり続けているときや、手や足が一定の姿勢を持続すると震えます。生理的な要素や、本態性振戦、甲状腺機能亢進症、または、アルコール依存症などの原因が考えられます。 |
ふるえの多くは精神的な要素に左右され、緊張や不安、不規則な生活リズム、または飲酒などの原因も考えられます。日常生活なかの緊張や不安を減らすため、適度のリフレッシュや〜マインドフルネスといったメンタルヘルスなども取り入れつつ、自己調節することも大切だと思われます。
日常生活に明らかな支障になる震えは薬物療法の対象となり、各々の専門医師の指導の下で治療薬を用いて、症状を軽減することが可能です。
治療薬による軽減が期待できない場合、脳外科の手術で、刺激発生装置を使う治療法もあります。
さらに、身体機能を維持することで、症状の進行を防ぐことや、運動障害を改善するためのリハビリテーション療法も大切です。
中枢神経系や自律神経系にレビー小体と呼ばれる物質が多く集まることによって起こる神経変性疾患の総称です。もともとパーキンソン病患者の脳から発見された構造物で、発見者であるドイツの医師レビーFriedrich H. Lewy(1885―1950)の名がつけられたことで、レビー小体と称された。レビー小体病には、パーキンソン病、レビー小体型認知症、レビー小体による自律神経障害などが含まれます。
つまり、レビー小体が、脳幹に溜まるとパーキンソン病に、大脳皮質に溜まるとレビー小体型認知症になります。自律神経系に溜まると自律神経障害を来します。
認知症の中でアルツハイマーに次いで多いにもかかわらず、一般的にはあまり知られていない進行性の難病が、レビー小体型認知症です。レビー小体と呼ばれる構造物が、大脳皮質の神経細胞に溜り、神経細胞を死滅させてしまいます。レビー小体型認知症に罹った患者が、初期にはした脳の萎縮,特に記憶の中枢の海馬の萎縮がみられないことが多いです。進行すると海馬の萎縮がみられるようになり、画像的にアルツハイマー型認知症との鑑別が困難になります。幻視・妄想、認知の変動などの認知症の症状、レム期睡眠行動異常症(夢を見ているときに声が出たり、体が動いたりする症状)が中核症状になります。足がこわばり、運動障害が生じるパーキンソン病に似た症状(パーキンソニズム)も伴います。
パーキンソン病と同様に、発病前から便秘等の自律神経障害や嗅覚障害がみられることが多いです。先ほど述べましたレム期睡眠行動異常症も認知機能の低下・変動前にみられることが多いです。
治療は、アルツハイマー型認知症にも使われるコリンエステラーゼ阻害薬が、認知機能の変動や幻視等に有効です。パーキンソニズムに対しては、パーキンソン病に使われる抗パーキンソン病薬が使われます。パーキンソン病に比べて、症状の改善度は落ちますが、症状の改善がみられます。唯、幻視を酷くする可能性があるため、注意が必要です。
レム期睡眠行動異常症に対しては、てんかん薬の一種であるクロナゼパム(商品名:リボトリール・ランドセン)が使われます。
認知症の中でアルツハイマー病に次いで多いにも関わらず、一般にはあまり知られていない進行性の難病が「レビー小体型認知症」。アルツハイマー病とパーキンソン病の両方の症状があらわれ、体の震えや幻覚、錯視などを引き起こします。従来はこれらの症状に隠れて誤診されやすかったが、保険が適用できる最新の検査機器の普及により、近年は診断制度が上がっています。
レビー小体型認知症の最大の特徴は、病気の症状が変化し、一定しないこと。料理や掃除などの日常作業が出来たり、出来なくなったり、もの忘れしたり、元に戻ったり、幻覚があらわれたり、消えたりすることがあります。
これらの症状の特徴を知っていなければ、初期の段階で本人が病気を自覚することができず、家族も病気に気づくことは極めて難しい。そのため、誤解によって家族同士が不仲になるケースがみられます。
ある日、急に得意な料理が作られなくなったと家族に嘆いた姑が、その翌日に何事もなかったかのように料理を創る姿を嫁が見て、いびられたと誤解し、家族が不仲になったケース。家で幽霊が孫にとりつくように見え、身近にあった物を投げて追い払ったことが、家族からは孫にぶつける虐待として映ったケースなどもあります。
あとから病気だからと家族に言っても、すでに出来てしまった心のわだかまりを埋めることは難しい。この病気は治らない難病。認知機能が落ちてから入院に至るまでの進行は早く、突然死も起こるため、早期発見、早期治療が極めて重要。この病気が原因で、患者と家族の心が引き裂かれる前に繋ぎ留めることが、脳神経内科医師の責務です。
病気の進行具合を知るには、家での状況を知る必要があります。どうしても家族が来られない時は、患者の家庭でのようすを手紙に書いてきてもらうことにしているといいます。
患者の問題行動につられて、家族もおかしくなる傾向があります。その対策も兼ねて、診察には患者だけではなく、家族にも来てもらい、みんなで理解しあうことが欠かせない。患者は、家族の支えがあって病気と戦うことができます。診察を通じて、患者と家族との心の絆を強くすることが奥村先生の診療方針です。
※レビー小体型認知症は、世帯の所得や疾病などに応じて、通院医療費の負担が軽減される「自立支援医療」の対象となる事が多い。
多系統萎縮症とは、大脳、小脳、大脳基底核、脊髄等、脳のいくつかの部位が、障害を受け、発症する疾患です。大きく3つのタイプに分けることができます。線条体黒室変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイドレーガー症候群です。
多系統萎縮症の主な症状は、脳のどの部分に障害を受けていたかによって異なります。
小脳が障害を受けた場合は、体幹のバランスを取ることが困難となるため、歩行障害やふらつき、手のふるえ、腕や手がうまく使えない、話すときにろれつが回りにくく言葉が不明瞭になるなどといった症状が現れます。
基底核や脳幹に障害を生じると、筋肉が硬直し、動きが緩慢になります。更に表情も乏しくなり、関節が動かしにくい、すくみ足、固縮、バランスが崩れた前傾姿勢、方向転換時に転倒をしやすくなるなど、パーキンソン病によく似た症状が表れます。
さらに、自律神経系に障害が生じると、自律神経症状が現れ、便秘や下痢、尿閉、尿失禁、立ち眩み、汗をよくかいたりかかなかったりする症状がみられます。
また、病状の進行に伴って、いびきや睡眠時無呼吸症候群などを呈するようになり、物忘れ、呼吸障害または嚥下障害なども認められます。
現段階では、多系統萎縮症に関して、根本的に治療する方法は確立されておりません。従って、症状にあわせた対処療法がほとんどとなります。
ほとんどの症例で、抗パーキンソン病薬は効果がありません。しかし、一部の症例で抗パーキンソン病薬が有効な場合があります。しかし、経過とともに抗パーキンソン病薬の効果がなくなります。
ですので、リハビリテーションや転倒に注意した環境改善が大切です。
甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)製剤により、進行を遅らせることが出来ますが、薬が効いたという実感は持てないことが殆どです。
ですので、リハビリテーションや転倒に注意した環境改善が大切です。
シャイ・ドレ―ガー症候群にも、根治的な治療法はなく、対症療法が中心となります。
起立性低血圧症に対しては、ゆっくり動くことや水分摂取量を増やすこと、弾性ストッキング等の使用、昇圧剤の服用等の対応があります。
排尿障害は、初期には頻尿になるので、頻尿治療薬の内服が有効ですが、進行とともに尿が出なくなる(尿閉)となるので、定期的なカテーテルを使用した導尿やカテーテル留置が必要となります。
発汗障害・体温調節障害などの症状に対して、水分・ミネラルの補給すること、エアコンなどの空調設備や衣類を活用して、本人の状態に合わせた対応、調節する必要があります。
声帯外転麻痺という気道の狭窄が起こることがありますが、確実な延命には気管切開が必要です。
ジスキネジアとは、自分では止められない、または止めてもすぐに出現するといった、おかしな動きの総称である。ジスキネジアの症状は「繰り返し唇をすぼめる」「舌を左右に動かす」「口をもぐもぐさせる」「口をつきだす」「勝手に手足が動く」「足が突っ張って歩きにくい」などがある。 くすりの勉強「薬剤師のブログ」より引用
細胞生物学において、シナプス(synapse)は、神経細胞間あるいは筋繊維(筋線維)、神経細胞と他種細胞間に形成される、シグナル伝達などの神経活動に関わる接合部位とその構造である。化学シナプス(小胞シナプス)と電気シナプス(無小胞シナプス)、および両者が混在する混合シナプスに分類される。シグナルを伝える方の細胞をシナプス前細胞、伝えられる方の細胞をシナプス後細胞という。 wikipediaより
早期治療に用いられる代表的な薬レボドパの効目が徐々に短くなって、パーキンソン症状が再び現れて、更に進行して悪化している状態です。
(見かけ上)服薬とは関係なしに on症状(薬が効いている状態)やoff症状(薬の効果が減弱した状態)がみられるようになった現象。
パーキンソン病の患者様、その家族様と病気について共に勉強してみませんか。ご興味がございましたらお気軽に、ご参加ください。
患者さん側 | 診察室では、医師患者関係は基本一対一であるため、他の患者さんがどのような悩みや不満を持っているのかはっきりとはわからない。症状も個々で違いがある。 |
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医師側 | どのような説明をすべきか、患者さんがどのような悩みや不満を持っているか私(医師)自身わかっていない。 |
一度集まってもらってお互いに色々と考えてみましょう
開催日時 | 新型コロナウイルス感染拡大防止対策の為、オンライン配信を行っています。 |
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内容 | パーキンソン病についての勉強会 |
講師 | 神経内科 奥村 一哉 |
参加費 | 無料 |
その他 | ※現在、新型コロナウイルス蔓延防止のため、パーキンの集いを休講させて頂いております。その代わりに動画配信を行っております。 |
2024/01/15 | パーキンの集い 第12回 〜疫学と環境要因〜 ※動画にてご視聴していただけます。 |
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2021/11/12 | パーキンの集い 第11回 〜歩行障害&転倒予防について〜 ※動画にてご視聴していただけます。 |
2021/08/12 | パーキンの集い 第10回 〜新しいパーキンソン病治療〜 ※動画にてご視聴していただけます。 |
2021/05/01 | パーキンの集い 第9回 〜嚥下障害〜 ※動画にてご視聴していただけます。 |
2021/02/05 | パーキンの集い 第8回 〜薬と食事〜 ※動画にてご視聴していただけます。 |
2020/12/04 | パーキンの集い 第7回 〜嗅覚障害・レム睡眠行動異常症〜 ※動画にてご視聴していただけます。 |
2020/10/06 | パーキンの集い 第6回 〜精神症状〜 ※動画にてご視聴していただけます。 |
2020/08/07 | パーキンの集い 第5回 〜自律神経症状〜 ※動画にてご視聴していただけます。 |
2020/06/05 | パーキンの集い 第4回 〜非薬物療法・リハビリ〜&サロンマリーゴールドのご紹介 ※動画にてご視聴していただけます。 |
2020/02/15 | パーキンの集い 第3回 〜非薬物療法・手術療法〜 のご報告 |
2019/12/17 | パーキンの集い 第2回 〜薬物療法〜 のご報告 |
2019/10/10 | パーキンの集い 第1回 〜運動症状〜 のご報告 |
2019/09/02 | パーキンの集い(パーキンソン病の勉強会)の日程のご案内 ※一部変更になっています。 |
まず寝ぼけている可能性があります。パーキンソン病の症状としては、レム睡眠行動異常症の可能性があります。 パーキンの集い 第7回 〜嗅覚障害・レム睡眠行動異常症〜
本来は良くないが、患者さんの希望に添って、増減はしています。ただ悪性症候群の可能性もあるので、0にすることは難しいです。
甲状腺腫瘍が原因で、筋肉の緊張が高まるとは考えにくい。マッサージは行ってもらうのは大丈夫です。
まず第1に転倒に気を付ける。そして運動をする、外出する。外出することにより他の人と話すことも増え、それらがパーキンソン病の進行の予防につながります。
レボドパ製剤はタンパク質と拮抗します。その為、牛乳、卵、豆腐、等と一緒に飲むとすぐに吸収されず、効果はゆっくり出ます。よって早く効かせたいなら牛乳等タンパク質の多いものと飲まない方が良いです。ゆっくり効かせたいならタンパク質と一緒に取ると良いです。
反対にレモン・オレンジジュースを飲むと PH が低くなる(酸性度が上がる)のでレボドパ製剤の吸収が良くなります。よって早く効かせる場合はオレンジジュース等と一緒に飲むと、沢山吸収され、立ち上がりが早くなります。早く効かせる場合は
そういう方法があります。
このように牛乳やオレンジジュースで飲むというのはオプションと考えてもらったら良いかと思います。
ちなみに、本来、パーキンソン病の薬はだらだらと効かす方が、切れ目がなく良いです。
また一緒に飲む水の量については、ひっかかりやすい人は沢山の水で飲む方が良いですが、普通に飲める人はそこまで考えなくても大丈夫です。
寝言は副作用ではなく、症状です。パーキンソン病の方はレム期睡眠行動異常症という病態があります。レム睡眠(夢を見ている時)に声が出たり、身体が動くという特
徴があります。これは普通の人はでないことです。ただし寝言を言っているからといって起こす必要はないです。
パーキンの集い 第7回 〜嗅覚障害・レム睡眠行動異常症〜
パーキンソン病の症状が出たという前提でお話しします。オンオフ症状のオフが出たと思われます。オフ症状なら薬を増やしてやるという対応になります。薬が切れている可能性があり、対応としては切れる前に増薬する、効き目の長い薬に変える等 の対応が考えられます。
意味はあります。ストレッチをしてあげる。固まったのを伸ばしてあげる。少しずつ動かしてあげると、完全には広がらないが、伸びてきて、動くようになってきます。パーキンソン病では硬くなる症状があるので、ほぐしてあげることは有効です。 ただし、無理にやり過ぎると骨折する可能性もあるので、そこは注意してください。
パーキンソン病の運動症状ではないと思われます。パーキンソン病の方は認知症状を伴うことがあるので、そちらが原因と考えられます。動きが悪くなるという意味ではパーキンソンの運動症状とも考えられます。
パーキンソン病では自律神経障害(便秘・立ちくらみ等)が起こります。血圧に関しては不安定になり、長い目でみると必ず、段々下がっていきます。対応としては血圧を上げる薬を使う、又は水分をしっかり取ってもらうということをします。
血圧が下がったからと言ってすぐにどうこうではないが、転倒のリスクがあるので注意は必要です。
血圧が高い時は座ると、足に血液が行き頭の負担が減ります。逆に血圧が低い時は、頭へ血液を贈るという意味で、横になり心臓と頭の高さを同じにするのが良いです。
まずパーキンソン病については治る病気ではないです。
リハビリについては、すぐに始めたら元の状態にまで戻ると思われます。ただリハビリを始めるまでに、他の病気があり安静を指示された等により、タイムラグができると思います。その場合リハビリを始めるまでの間、安静にした分、運動能力が下がるので、少し状態は落ちると考えられます。
ドパミンが増えすぎると、不規則なグネグネした動きが出現する症状。
パーキンソン病はエルドーパをはじめとするパーキンソン病の薬が必ず効くが、症候群の方はパーキンソン症状があっても、ほとんど薬が効かない、等によります。
進行度はパーキンソン病の方がゆっくり、症候群の方の方が基本速い。
基本的に症候群の方は異常が出ない。パーキンソン病、レビー小体型認知症では異常が出ます。
白井病院ではMIBG心筋シンチ、DATスキャンを持っていないので、ケースバイケースで必要な場合行っています。ちなみにパーキンソン病だけを考えた場合はMIBG心筋シンチを撮ります。MIBG心筋シンチで異常が出た場合はパーキンソン病やレビー小体型認知症と断定ができる。DATスキャンの場合は他の症候群が混じるので完全には判断できないことがあります。MRIは(パーキンソン病の場合は)異常がないことを確認るために行うので、MRIでは異常が出ることはありません。
IPSは自分の細胞を使わず、大量生産できるものを使っているので、少し費用は下がります。国もかなりバックアップしているので、おそらく今後、使えることになっていくと考えています。
かけ声をかけたり、線をまたぐようにして歩きましょう。自宅であれば、床にテープで線の印をつけるのも効果的です。
介助では引っ張ったり押したりすると余計に体が硬直してしまうことがあります。ご本人のペースに合わせてかけ声をかけたり、目標物を一緒に目で確認すると歩きやすくなります。
今までこの手の質問に対して私は、自己評価で8割程度の満足度を目指すと答えてきました。その事について今回説明させて頂きます。
ジスキネジア(体が勝手にぐねぐね動く状態)、wearing-off症状・on-off症状(薬の効果が不安定となる状態)等をパーキンソン病の運動合併症といいます。その運動合併症がみられない初期と運動合併症がみられる進行期とに分けて説明します。
初期のパーキンソン症状は、どのパーキンソン病薬を使っても良くなります。そのため、ハネムーン期とも呼ばれます。ここで自己評価の10割を目標としてしまうと段々薬の量が増えてしまい、進行が速くなり運動合併症が早めに来てしまう結果となります。そのため、自分の考えで薬の飲み方を変えたり、増薬することは長い将来を見据えた場合、良くありません。
専門医はハネムーン期の期間をどれだけ延ばせるかを考えて薬の調整をしています。自己評価の8割というのはそこから考え出された目安で、患者さんには少し我慢して貰う状態となります。薬を増やしたくないと言って自己評価の5割程度で我慢する必要は全くありませんし、それで進行が遅くなる訳ではありません。逆にもう少し動けるようになりたいと主治医と相談するのは良いのですが、客観的に見て8割以上であるにもかかわらず、全然効いていないといわれる患者さんもいるので、その時は患者さんと主治医とでお互いに話し合う事になります。
進行期の治療目標も基本的には自己評価の8割ですが、運動合併症があったり、幻視や認知機能の低下等があるために、増薬出来ないことがあります。そのため、色々な作用機序の異なる薬を使って、できる限りパーキンソンの患者さんやその家族さんに納得して貰える様な治療を専門医は目指しています。
現在新型コロナウイルスのため、自宅・施設に閉じこもられたり、リハビリが充分出来ない状態等の活動自粛で苦労されているかと思いますが、もう暫く力を合わせて頑張りましょう。
実はこれだけをしていれば皆に効果があるというようなリハビリは残念ながらありません。人それぞれ得意なこと・苦手なことがあるように、人それぞれ病気によって苦手となる部分、それほど変わらない部分が違うからです。
パーキンソン病になると振戦(ふるえ)、筋固縮、無動・寡動、姿勢反射障害などの運動機能障害があらわれ、体が動かしにくくなります。動かしにくいので動かないでいるとどんどん筋力や体力、心肺機能が落ちて、本当に動けなくなってしまいます。それを防ぐためには日々の運動の習慣やリハビリが必要となります。運動の内容はウォーキングや体操、ダンス、動きにくい方は座って足踏みや腕を大きく回す、手をグーパーするなど何でも良いのです。大切なことは「楽しむこと」と「続けること」です。
皆さんは何をしているとき楽しいでしょうか?嬉しい、やる気が出てくる、幸せなどの気持ちを感じているときは体が動かしやすくなります。趣味や家族、今までに経験してきた嬉しかったこと楽しかったこと全てが自分の味方になってくれますよ!
音楽(演歌、ジャズ、ポップスでも何でも!) スポーツ(ウォーキング、ゴルフなど)ダンス(社交ダンス、パーキンソンダンス)体操(ラジオ体操、地域の体操など)何でもいいので何か安全にできるものから取り入れてみましょう。「得意なものは何もない。」
「今から趣味と言われても…」という方でも大丈夫。好きな曲や昔よく聞いた曲をかけながら手足を動かしたり、自分が心地よい、楽しいと思えることから始めてみましょう。
パーキンソン病は震えや固縮(筋肉のこわばり)、無動(動きにくくなる)など様々な特徴的な症状が出ますが、リズム形成障害も特徴の一つです。これにより、歩くときにリズム良く歩けなかったり、すくみ足や小刻み歩行が出やすくなったりします。
音楽のリズムは脳の中にある大脳基底核を刺激し、歩行のリズムが整ったり動きやすくなったりする効果があると言われています。歩くときは2拍子または4拍子で軽快で刺激が強すぎない曲が良いと言われています。例えば「三百六十五歩のマーチ」や「明日があるさ」などです。ストレッチや休憩では、ゆったりとしたクラシックなどが適しています。自分が聞いていて落ち着いたり元気が出たりする、好みの曲が効果的です。
自宅で運動を行う場合には、好みの曲をかけながら、足踏みするなどから始めてみましょう。転倒の危険がある場合は座って足踏みでも効果はあります。動画を見ながらできるパーキンソンダンスや体操もあります。参考にしてみてくださいね。
また、パーキンソン病では声が小さくなってしまうことがあります。歌うことで肺活量が増えたり、大きな声が出るようになる効果もあります。自分の歌いやすい曲を選んでアクセントをつけたり大きな声で歌ってみましょう。昔好きだった歌なんかもいいですね。歌が苦手な場合は、朗読も良いでしょう。
このように音楽をリハビリや生活に取り入れると体が動きやすくなったり、気持ちが落ち着いたり、様々な効果が期待されます。音楽を上手に活用し、楽しみながらリハビリが継続できることが大切です。
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